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シンポジウム2について

第86回 日本胃癌学会総会は2014年3月20日~22日、横浜パシフィコで開催され、盛会で終えることができました。シンポジウム2では、国立がん研究センター東病院 先進医療開発センター新薬臨床開発分野長の土井 俊彦先生に胃癌に対する分子標的薬の治療についてお話し頂きました。

分子標的薬は、がん細胞と正常な細胞を見分けて、がん細胞だけを狙い撃ちしてその働きを弱め、増殖を阻止するため、副作用も少なく効率よくガンを攻撃することができます。既に乳がんや肺癌で効果を上げていますが、今最も注目を浴びているのが胃癌や大腸がんなどの消化器がんの分野での分子標的治療です。

アバスチンやアービタックス、ハーセプチンが登場し、欧米では転移や再発したGIST(gasutorointestinal storomal tumor=消化管間質腫瘍)や大腸がん、胃癌に対して多くの分子標的薬を用いた臨床試験を行っております。既に標準治療となったものも多く存在致します。

2014年3月現在、わが国で市販されて比較的よく使われている分子標的薬には、トラスツズマブ(ハーセプチン)、リツキシマブ(リツキサン)、イマチニブ(グリベック)、ケフィチニブ(グリベック)があります。

GISTの患者さんにグリベックを1日400mg投与し6ヶ月の分子標的治療を行った結果、腫瘍が完全消失した例はありませんでした。しかし、50%以上縮小した例は46.4%、進行が止まった例は53.6%でした。これらを合わせると、ガンをコントロールできる例は100%に達します。

腫瘍が増大しないことが、生存期間を延長させることに繋がっております。副作用は軽いものも含めると全員で見られましたが、減量や休薬で十分に対応できました。抗ガン剤治療はこの5年間で大きく進歩しています。新薬の開発も進み、選択肢も増えました。

2014年に27各国が参加した臨床試験の結果が発表され、パクリタキセルとマブシルマブの新薬を併用療法治療が二次治療の選択肢として延命効果があると実証されました。まだ使っていない薬の3次治療も検討されております。胃癌治療は、今後ますます進歩していくことは明らかであります。