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シンポジウム1について

進行胃癌に対する抗がん剤治療はこの5年ほどで劇的に進歩しています。第86回 日本胃癌学会総会は2014年3月20日から22日にかけて行われ、盛会にて無事に終了することができました。

この総会の2日目に行われたシンポジウム1では、筑波大学医学医療系消化器内科の兵頭 一之介先生と、弘前大学大学院医学研究科腫瘍内科学講座の佐藤温先生に座長を務めて頂き、進行胃癌の治療についてシンポジウムを行いました。

しかし、この総会以降も分子標的薬の新薬が登場するなどの発展があり、二次治療の第一選択薬も変更となっております。従来、二次治療の第一選択薬はパクリタキセル、イリノテカン、ドセタキセルのいずれかを単独使用していました。それが、2015年11月にパクリタキセルと新薬のラムシルマブの併用に変更になっております。

ラムシルマブは、がん細胞だけを標的にして周りの正常な細胞を傷つけない分子標的薬です。また、がん細胞が栄養を得るために作る血管の新生を阻止する働きもあり、血管新生阻害薬とも呼ばれています。

進行した胃癌の患者さんのパクリタキセル単独療法では7.4ヶ月だった生存期間が、ラムシルマブと併用することで9.6ヶ月に延びました。二次治療は、がんの進行が止まっている場合はできる限り継続することが望ましいです。効果が低下してきた場合も、そこで諦める必要はありません。

二次治療以降も、まだ使っていない薬を使用した三次治療を検討することが可能です。また、抗がん剤治療は進行した胃癌の治療の柱として使うだけではなく、補助的にも使われています。癌を小さくして手術をしやすくしたり、手術後の再発予防にも使われております。

一昔前は胃癌で転移があるとなれば、「残された人生を有意義に過ごしてください」と言った感じでした。しかし現在は、進行した胃癌で転移があっても、分子標的薬などの登場で転移した癌が縮小してなくなったり、手術が可能なくらいになるケースも増えてきました。今や進行胃癌イコール余命わずかという方程式は成立しません。