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特別企画1について

第86回 日本胃癌学会総会、特別企画1は、「胃がん学会のあゆみ 次世代の胃癌治療を担う人材へのメッセージ」という演題で行われました。
座長に日本胃癌学会理事長で兵庫医科大学病院上部消化管外科主任教授であられます笹子 三津留先生と、がん研有明病院消化器外科部長であられる佐野 武先生をお迎えしてお話し頂きました。

笹子 三津留先生は数千例の手術件数を持っておられます。しかし手術の数だけではなく手術の質も重要であると常に述べておられます。
胃癌は治ったがQOLは低下したのでは、何のために手術をしたのか判りません。

近年は腹腔鏡手術(ラパロ)で、傷を小さくし退院までの日数を短縮するのがベターだというムードが流れていますが、食道がんに比べて胃癌ではラパロで行うメリットは限られており、合併症のリスクは高くなります。

適応や短所・長所を見極めることが重要であります。いくら手術が上手でもラパロで手術痕が小さくても、適応を間違えれば0点です。

笹子先生は、「もしも自分がガンになった時に、執刀して欲しい外科医であるかどうか」を、常に自問自答されて手術に当たっておられます。

そして、「患者さんには嘘をつかず誠実に」をモットーにされておられます。

佐野武先生は海外から多くの外科医が手術を見に来る胃癌治療の専門家であられます。

その佐野先生も笹子先生と同様に「患者さんに嘘はつかない」を心がけておられます。

病状説明はわかりやすく受け入れやすい言葉を使うこと、病気のステージや悪性度、臓器の特徴だけではなく、患者さんの性別や年齢、家族構成、職業、社会的地位、人生観、経済力なども考慮して治療プランを立てることが大切です。

「手術の先には患者さんの生活があり、人生があり、家族や友人や仲間がいる」このことを忘れてはなりません。

外科医をはじめ医療人が対象としているのは、病気ではなく人であると言うことを、またその1人の人の背後にあるものや周囲にあるものも常に頭に置いて治療・診療にあたって頂きたいというのが、次世代の治療を担う若い人材へのメッセージであります。