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教育講演2について

第86回 日本胃癌学会総会 教育講演2は、「胃癌に対するanatomic surgery(解剖学的手術)としての「系統的胃間膜切除」」と題して、座長を公立昭和病院 外科 院長・上西 紀夫先生のもと、虎の門病院 消化器外科医長・篠原 尚先生を演者に行われました。

座長の上西 紀夫先生は、世界をリードする日本の消化器内視鏡界を牽引するドクターでありながら、2013年まで日本消化器内視鏡学会理事長として、日本消化器内視鏡学会のインターナショナルセッションを企画し、米国や欧州、アジア太平洋学会からドクターや研修者を集め、国際的な見解や技術の向上に貢献。消化器内視鏡医が減少傾向にあることへの問題改善への取り組みや、若手内視鏡医師が高度な診断や治療の技術を学べる環境作りからグルーバルな活躍の舞台を整えられた立役者でもあります。

篠原 尚先生は、京都大学関連病院・虎の門病院で内視鏡を使った腹腔鏡手術をメインとした胃癌手術専門医として臨床と研究に従事。得意分野は、多くの外科医がその理解に頭を悩ませる、腸間膜のねじれ・癒合リンパ節・膵上縁リンパ節の解剖学的手術を得意とされています。

本講演では、胃切除における膜の重要性を指摘しながら、大腸癌手術で確立されているTME(直腸間膜全切除)やCME(全結腸間膜切除)の概念を胃癌の手術である2Dと共通の概念で捉えるべきであると提唱します。

胃癌に対する根治的処置としては本来リンパ節の切除し、胃間膜を全切除すべきであるが、胃の回旋によって温存すべき腹膜同士が変性し融合してしまい、膵を温存するためには制約が生じるが、変性した両者の間にはIDLを正確にトレースすることで,組織を選択的に摘除することができると言うことを事細かく解説し、「消化器に対する外科手術の目指すものは担癌臓器とそのリンパ領域を含む腸間膜をできるだけ無傷な状態で切除することである」と力説。系統的胃間膜切除のためのロジックの全容を講説しました。