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教育講演1について

第86回 日本胃癌学会総会にて、渡辺 英伸先生を座長とした教育講演1「特殊型胃癌の病理学的特徴と臨床的意義」が、順天堂大学大学院医学研究院教授・八尾 隆史先生の講演で行われました。長年、新潟大学名誉教授として長年教鞭をとられた渡辺 英伸先生は、平成15年に退官され、現在は株式会社ピーシーエルジャパン病理・細胞診センターの特別顧問に席を置かれています。

本講演で取り上げられている特殊型胃癌とは、高頻度で出現する一般型胃癌とは異なり、出現頻度の低いレアケースな特殊な癌のことをさします。特殊型胃癌と分類されている癌は、絨毛癌・癌肉腫・浸潤性微小乳頭癌・胎児消化管上皮類似癌・カルチノイド腫瘍・内分泌細胞癌・リンパ球浸潤癌・肝様腺癌・腺扁平上皮癌・扁平上皮癌・未分化癌・卵黄嚢腫瘍類似癌などです。これらは、出現頻度が低いだけでなく、発生メカニズムや悪性の度合いが他の癌とは大きく異なると言う特徴が多く報告されています。

八尾 隆史先生は、細胞の増殖・分化に関連した遺伝子異常に関する解析や因子の研究を介して、特殊型癌の発生メカニズムから癌の発育様式・発展の仕組みなどを究明し、癌の悪性度評価の策定から最も適した治療方針を決定するための研究を行ってきた中で、消化管疾患の新しい概念と病理学的特徴を明らかにしています。その中でも特に注目されているのは、大腸隆起性病変の特殊な症例として報告されている絨毛状腫瘍や、陥凹型腺腫、鋸歯状腺腫についての研究です。

大腸上皮と密接な関連にある間質細胞(pericryptal fibroblast)の発達メカニズムを元に解析を行い、大腸癌発生における陥凹型病変の意義や、鋸歯状腺腫の癌化への危険性や、そこから派生した癌は大腸癌でありながら胃型の形質を発現するという特徴を報告。大腸癌から胃癌への癌の形質発現と発育と進展など、特殊型胃癌のメカニズムと悪性度の研究の発展について講演を行いました。